歯科ブログ

歯をみがいてはいけない!?|兵庫県川西市の歯科「市川歯科医院」

2017.09.18

先日、患者さんから「テレビでやっていたけど、朝晩磨けば昼は磨かなくていいって本当ですか?」と質問を受けました。
その時は「昼も磨けたら磨くに越したことはないですね」と当たり障りなくお答えして終わってしまいましたが、題名が気になって買ったものの、まだ読んでいなかった本のことをふと思い出しました。

その本の題名は『歯はみがいてはいけない』(森 昭 著 講談社+α新書)でした。

題名だけ見ると、そんなバカな!と思いましたが、読んでみると説得力があり、大変勉強になりました。

テレビの監修がこの本の著者かは定かではありませんが、本書を読めば患者さんの質問内容にも説明がつきます。

本書によると、「朝晩磨けば昼は磨かなくて良い」というのは、プラークコントロールには”夜寝る前”と”朝起きた時”の2つの時間帯が最も効果的だから、起床後と寝る前に歯みがきして、昼食後はデンタルフロスで歯間部のプラークを取り除くことで充分である、と解釈出来ました。

なぜ’”夜寝る前”と”朝起きた時”が最適かと言いますとと・・・

歯周病菌やむし歯菌は歯垢(プラーク)の中で繁殖します。このプラークは①飲食後24時間でできる②唾液がほとんど出ない夜寝ている時にできる③唾液が形成をコントロールしてくれ、その能力は飲食後に最も高まっている、といったプラークの形成機序と唾液の効能が根拠となっています。

また、本書ではデンタルフロスの重要性を説いているのも印象的でした。

「スウェーデンでは、歯垢(プラーク)がたまりそうなところから効率的に歯みがきをします。プラークがたまりやすいところは、『歯と歯の間』と『歯の付け根』です。だから、まずデンタルフロスをしたり、ワンタフトブラシという一歯一歯をみがける、毛束が丸くて小さな歯ブラシを使ったりします。これがメインの清掃用具です。

一方、日本では毛先が3列になった歯ブラシが一般的な清掃用具とされています。デンタルフロスやワンタフトブラシは”補助的清掃用具”とされ、歯学部や歯科衛生士学校の教科書でもそのように書かれているくらいです。

〜中略〜

食後に大きな食べかすをとるには3列歯ブラシが効果的なのですが、『プラークをとる』という視点で見た場合は、明らかにデンタルフロスやワンタフトブラシが主役であり、3列歯ブラシは補助的に使う方が理にかなっています」

一般的に歯ブラシの正しい使い方さえも習う機会がなかなか無いのに、デンタルフロスになるとなおさらです。

いくら治療をしても正しいプラークコントロールを習慣化できなければ、再治療のスパイラルからは抜け出せません。

歯ブラシの当て方、デンタルフロスの使い方など、ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談下さい。

市川歯科医院 市川雄一

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